「合唱を楽しみたい!」と思っている人はたくさんおられると思います。
合唱は一人では出来ない曲を歌えたり、一人では実現できない色々な雰囲気を愉しめます。
現在日本では、小・中学校から高校・大学や一般企業・地域の合唱団やお母さんコーラス、
プロの合唱団と広く行われています。
ある県下の約100団体が参加する合唱祭の過去8年間の演奏曲目を調べてみたら、 日本と外国の曲の比率は約半々でした。外国曲は大曲が多く、日本の曲は小品が多いようです。 近年は外国曲がやや増える傾向にあるようです。合唱団の数も増える傾向にあるようです。 大学の合唱団は人数も合唱団数も減少していますが、一般の合唱団は増加しています。
30年前に合唱をはじめた頃に演奏されていた曲と、 最近演奏されている曲とはあまり変化がないように思います。 合唱の一番の魅力はハーモニーにありますから、 曲目に対するこだわりがあまりないのかもしれません。 近年は外国曲がやや増える傾向にあるのは、多人数(50〜60人以上)で 演奏すると音程に厚みが出て自然にハーモニーが出るのが人気のもとではないでしょうか。
合唱の魅力はなんと言ってもハーモニー(共鳴)です。五線から外れるベースの低い音も 1〜2人声が出る人がいれば後のベースのメンバーは声が出なくても其の格好をしている だけで全体が鳴っているように聞こえてきます。ベース全員の胸が共鳴して鳴っているのだと 思われます。日本の古来の人の声による共鳴といえば、寺のお経の響きが思い出されます。 合唱による人体の共鳴はまさしく癒しの音楽ではないでしょうか。
すばらしいハーモニーを作るためには何度も何度も練習して少しずつ修正されて透明度の高い
共鳴が完成されます。まさしくアマチュア合唱団が得意とするところです。
しかし、ピアノ伴奏つきの曲になると練習すればするほどハーモニーが
わからなくなるのはなぜでしょうか?
合唱曲を理解(勉強)することと感じることは同じ道なのでしょうか?
我々日本人が最も自然に感じ・愉しめる合唱音楽はまだ存在していないように思われます。
日本人が自然に楽しめる合唱はこれからの大きな課題だと思うのです。